📋 この記事を読んでわかること
- 昔の人は、どうやって爪を整えていたか
- 現代的な「爪切り」が登場した、おおよその時代
- 日本に爪切りが広まった流れ
- フットケアのプロが使う道具の種類
- 自分に合った爪切りの選び方
ほとんどのご家庭に、ひとつはある「爪切り」。あまりに身近で、その歴史を考えることは、なかなかないかもしれません。
けれど、今のような爪切りが使われるようになったのは、実は意外と最近のことだと言われています。フットケアの仕事をしていると、毎日のように爪と道具に向き合います。今回は、そんな道具・爪切りの歴史を、たどってみたいと思います。
昔、人はどうやって爪を切っていた?
爪を整えること自体は、はるか昔から行われてきました。
専用の「爪切り」がなかった時代、人々は、小刀(こがたな)やナイフ、はさみなどを使って、爪を削ったり切ったりしていたとされています。砥石や、ざらざらした石で削っていた、という話もあります。
古代エジプトや古代ローマでは、爪を含めた身だしなみを整える習慣があったと言われ、爪の手入れは、ずいぶん古くから、人の暮らしの一部だったようです。「整える」という行為は、時代を超えて、人にとって大切なものだったのですね。
現代的な「爪切り」の登場
今、私たちがよく使う、てこの原理で挟んでパチンと切るタイプ(クリッパー型)の爪切り。これが登場したのは、19世紀後半から20世紀にかけてのことだとされています。
欧米で、さまざまな形の爪切りが考案され、特許が取られ、少しずつ改良されながら、広まっていきました。今のような形に落ち着くまでには、いくつもの工夫が重ねられてきたようです。
「あって当たり前」に思える道具も、長い歴史のなかで、少しずつ今の形になってきた――そう考えると、毎日の爪切りも、少し見え方が変わってくるかもしれません。
日本では、どう広まった?
日本では、古くは握り鋏(にぎりばさみ)や小刀で爪を切っていたと言われています。
現代的な爪切りが広まったのは、西洋の文化が入ってきた明治以降で、家庭に広く普及したのは、さらにそのあとのことだとされています。今では、てこ式のクリッパー型が、日本の家庭でいちばん一般的なタイプになっています。
身近な道具ひとつにも、文化が海をわたってきた歴史が、そっと刻まれているのですね。
フットケアのプロが使う道具
ご家庭の爪切りは、クリッパー型が主流ですが、フットケアの現場では、爪の状態に合わせて、いくつかの道具を使い分けます。
ニッパー型
厚くなった爪(肥厚爪)や、硬い爪には、ニッパー型の爪切りを使います。先が細く、少しずつ削るように切れるので、力の入りにくい厚い爪や、変形した爪にも対応しやすいのが特徴です。
ゾンデ・ヤスリなど
爪のまわりの汚れを取る道具や、爪の角・表面を整えるヤスリなど、爪切り以外の道具も使い、爪を「切る」だけでなく「整える」ことを大切にしています。
プロが道具を使い分けるのは、爪を傷つけず、痛みを出さず、安全にケアするためです。とくに、巻き爪・肥厚爪・糖尿病のある方の爪などは、無理に家庭用の爪切りで切ると、トラブルのもとになることがあります。
自分に合った爪切りの選び方
ご家庭で使う爪切りも、自分の爪に合ったものを選ぶと、ぐっと切りやすくなります。
- 標準的なクリッパー型:ふつうの爪に。刃がよく合っているものを
- 小さめのもの:手の爪、細かい部分に
- 大きめ・刃が直線的なもの:足の爪に。スクエアオフ(角を残す切り方)がしやすい
- ニッパー型:厚い爪・硬い爪に(扱いに少し慣れが必要)
切れ味が落ちた爪切りは、爪を割ったり、二枚爪の原因になったりします。よく切れる道具を使うことも、実は爪の健康を守る大切なポイントです。
看護師からひとこと
道具の歴史をたどってみると、人はずっと、自分の爪を整えながら生きてきたことがわかります。爪を切るというささやかな行為が、これほど長く、大切にされてきたのですね。
そして今、自分では爪を切るのが難しくなった方のために、私たちのようなフットケアの専門家がいます。歴史のなかで磨かれてきた道具を使い、安全に、痛みなく、爪を整える。それも、長い「爪を整える」歴史の、ひとつの続きなのだと思います。
ご自宅での爪切りに不安がある方、厚い爪・巻き爪でお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
足元から、毎日の手入れが、ひとしずくずつ、心地よくなりますように。
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